今回は、賞味期限が過ぎた食用のソバの実を蒔いて、その種採りのお話です。
食用のソバの実が少し残っているのを見つけました。賞味期限は2カ月ほど過ぎていました。もったいないのですぐに食べましたが、蒔いたらどうなるかとも思い、少し取り分けて蒔いてみました。
食用のソバの実の種採り
そのソバの実はお米に 1/4 ~ 1/5 ほど混ぜ、水加減はお米だけの場合と同様にして炊くもので、そのまま食べられるよう外皮が剥がされており、果たして種として使えるのか疑問でした。
とにかく硬い実なので一晩水に浸してから 8/17 に空いているところへ蒔いてみました。
毎日水やりをしていると、無事発芽しました。外皮をはがされていても生きていました。そして、まだ十分に生命力を持っているものに対して、賞味期限とは何なのかと思いました。
しばらくして白い小さな花が咲き、いま種実が少しづつ成っています。
実が成るといっても、ナスのように見るからに実という感じではなく、最初はえっ?もしかしてこれが実?というくらいのもので、ポツポツ、焦げ茶色の角ばった種実がへばりついているという感じです。気づく前にいくらか落としてしまったかもしれません。
花の数の割に種実が少ないな~と思っていたのですが、すべての花が実になるのではなく、3割実れば上出来とのこと。それなら、まぁ合格スレスレかな。
ひとつひとつ取っています。
多様な昆虫のおかげで実るソバ
ソバの栽培方法に関して、昨年の『現代農業』の記事に行き当たりました。
以下、その抜粋です。
- ソバは多様な花粉媒介昆虫による花粉媒介が必要で、その昆虫は、西洋ミツバチ、野生ハナバチ(クマバチなど)、ハナアブ、ハエ、チョウ、ガ、小型甲虫、カリバチ(スズメバチやアシナガバチ)、アリなど、その調査では少なくとも150種以上の昆虫が関わっていた。
- 「ソバは放っておいてもできる」というのは、人間が知らない間にたくさんの昆虫が働いてくれているから。
- 特に活躍するハナアブや小型甲虫の多くは、畑のアゼの植物を寝場所にしているらしい。そして、昆虫ごとに頻繁に利用する植物が違うらしい。よって、多くの花粉媒介昆虫を維持するには多様な植物が必要である。
- ソバの栽培時期にアゼの草刈りを控えて花や草丈を維持した畑と、通常通り草刈をした畑を比較したところ、前者の方が花粉媒介昆虫の数が4割増し、結実率が2~3割増となった。これは4年間一貫していて、畑の数は延べ50カ所以上での結果である。
- アゼの草丈は30㎝ほどで花粉媒介昆虫の数や結実率が頭打ちになり、野生植物の種類も草丈30㎝以上で減少傾向となった。アゼの植物は放置しすぎず30㎝位の草丈を維持すると効果的である。
永野裕大 「ソバの開花前からアゼ草刈をやめると結実率3割アップ」『現代農業』農文協 2023年8月号 92~97頁
川口由一さんの「草や虫を敵としない」ことの利点を裏付ける調査・記事で、うちの菜園も是非そういう環境であってほしいな~と思います。
昆虫は、います。そして、ソバの栽培期間中に限らず、草もあります。しかし、梅雨明け後から、いや、もっと前から草ぼうぼうでした。
草丈がも30㎝を優に超えていました。お手入れもサボって何もしない放置農でした。まだまだ自然農とはとても名乗れません。
それにしても、種の状態から1カ月ほどで花が咲き、ボチボチ実ができてきて、今ちょうど2カ月目。なんと成長の早い植物でしょう。
この成長の早さから、短期間で利用できる緑肥としても利用されるそうです。
ほとんど期待せずに蒔いたソバの実は、慣行栽培で育てられていたと思います。無肥料のうちの環境はさぞキツかったでしょう。今年の夏を学んだ種が、来年もっとうちらしいソバに進化してくれるかもしれない。そう期待して、ボチボチできてくる種実をチマチマ採っています。
最後までお読みくださってありがとうございます。
\ ポチっと応援していただければ嬉しいです。/
にほんブログ村人気ブログランキング